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NO.0006/2002.9.21

月光山歩」(げっこうさんぽ)

十五夜の日和田山ナイトハイキング

 中秋の名月の9月21日、奥武蔵少年少女自然楽団の主催により、「月光山歩」と銘打ったナイトハイキングが、日高市の日和田山(305m)で行なわれた。当日の参加者は地元高麗小学校児童8名、父母や友人などおとな10名の計18名。特に子どもたちは昼間行われた小学校運動会の疲れをものともせず、元気いっぱいに歩き通した。

 午後6時半、夕やみに包まれた日和田山登山口に集合。一歩一歩大地を確かめるように静かに歩き始めた。中腹の二の鳥居前で先発グループと合流して、まずは日和田山頂を目指す
。あいにく、曇天の空模様となり、当初計画した物見山(357m)までの往復は断念、途中の高指山で折り返しとなった。高指山にあるパラボラアンテナ前の広場で休憩をとったが、「ここでは大声を出してもいい」という主催者の一声で子どもたちは大はしゃぎ。さっそく鬼ごっこが始まった。月光の薄明かりの中駈け回る子どもたち。土手を転がり落ちたり、モノにつまずいたりしながらも心底体が喜んでいる様子が伝わってくる。しまいには昼間の運動会でやった応援合戦のエールが夜空に響き渡っていた。


 
日和田山山頂にて。市内の夜景が一望できる。
はるばる都内からも情報を聞いた若者たちが駆けつけてきた。

 この「月光山歩」はライトを極力使用しないで月明かりだけを頼りに山道を歩くこと。また、大きな声で笑ったり話したりしないで、静かな気持ちで歩くこと。この2点の原則が設定されている。
 そのことで満月の明るさを実感するとともに、虫の音、風のそよぎ、かすかな葉音などから山の気配を察し、夜道を明かり無しで歩くことのスリリングな楽しさと、自然界への畏れを感じ取るきっかけ作りとして行なわれた。
 しかし、理屈にとらわれているのはおとなだけであって、こどもたちは素直に夜の日和田山と戯れているように感じられた。それで十分、月光山歩の役割は果たせたのではないだろうか。

 帰路、再び二の鳥居まで戻り、眼前に広がる夜景を堪能した。遠く都心まで望める眺望はまた、月夜の山道とは違った感慨だろう。この自然と人工のコントラストも里山である日和田山ならではの魅力なのだ。

 この後、引き続き二の鳥居前にて奥武蔵ネット主催の「月観の宴」に入った。望遠鏡で月や街明かりを見る者、木登りをする者、お酒に興じる者など、三々五々、夜半まで賑わっていた。(新)


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