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奥武蔵の風に吹かれて NO.007 フクロウに誘われて 2001.4.14


 昨夜自宅の裏山にフクロウがやって来た。毎年この時期になると繁殖のためこの周辺にやって来る個体がいるらしい。里山ゆえたいして大きな木も残っていないが、フクロウの棲める環境がありがたい。風呂になど入りながら聞くゴロスケホッホーの声は何ともいえない風情が感じられる。以前はムササビもよくやって来たが、彼らが飛び伝われるような木の連なりが失われて久しい。それ故、フクロウの存在が尚更貴重に思える。

 今朝は久しぶりに近くの日和田山に登った。体調も回復に向かい、足慣らしのつもりで。上の娘と、女房と3人で出かけたが、頻繁に登っている女房の方が既にこの山の状況を熟知している様子。標高303mの中腹にある金比羅神社まで、麓からゆっくり歩いても20〜30分。毎日の常連さんたちを含め、今朝は8人が時間を共有した。

 金比羅神社前から望む眺望は低い山とて侮ることはできない。西に奥秩父連峰が迫り、ややその左寄りに奥武蔵、奥多摩の山々。そして特徴的な大岳山を経て更にその左手に雪を被った富士山が裾を広げ、更に丹沢連峰へと連綿と連なりを見せている。
 一方、目を南に転じたならば、関東平野を一望にできる。天気が良いと都心の高層ビル群は以外と近く、横浜、千葉方面のビルまでも見える。更に東側には筑波山がぽつんと浮かんでいる。

 春霞に包まれた今朝はそれらが皆ぼんやりと目線を囲んでいたが、柔らかい日差しに雑木の芽吹きはかえって優しさを増し、目に心地よい。いい時間だ。全てが静かに、緩やかに流れている。


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