asara
奥武蔵の風に吹かれて NO.017 招かざる客 2001.5.7


 自室でムカデに出合った。デカイやつだ。今シーズンお初。いよいよ、季節到来。これから晩秋まで彼らに悩まされる。
 家人が知ったら最後、生かしてはおかないので、見つからないようにそっと、濡れ縁から掃き出した。こんなことを年間幾度となく繰り返す。

 深夜、布団の中に這い込んで来ることも度々で、耳元付近をかすめ通ったりすると、ザワザワと動く音が聞こえてくる。夏の夜など、裸同然で寝ているが、睡眠中、背中や胸の上を這って行くことも・・・何やらヒンヤリした感触に目を覚ますのだが、そんなときにはけして慌ててはいけない。下手に払いのけようとすると、ビックリしたムカデに攻撃(防衛)されかねない。即ち、噛むとも刺すとも言える大顎の洗礼を受けることになる。できればそのままにしておければ一番良いのだが、概ねそうも言っていられない。
 結局一か八か飛び起きて振り払うのだが、その後が大変。見逃すわけにもゆかないので、その辺にあるうちわやら、雑誌の類に這い登らせ、そのまま外へ放り出すまで、寝る気にはなれない。
 けれど、ムカデに悪意があるでなし、ただただ居心地の良い場所を探し当てただけなのだろうから、もう、半ば諦めるしかなさそう。むしろ、ムカデが室内に入って来るような、自然環境の豊かな地域と、喜ぶくらいの余裕が必要なのかもしれない。


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