数日来の好天が続き、あちこちの紅梅が開き始めている。まだ辺りには冬の風が吹きすさぶ中、いち早く春の到来を告げている。
ここ数年奥武蔵でも一月中に咲き始めるものが多く、この調子だといずれ年末に咲いてしまうのではないかとあらぬ心配をしていたが、どうやら今年は従来の季節に戻ったようで安堵している。冬の寒さも過ぎ去ってみれば名残惜しいもの。春の気配を喜びつつ、足早に消え去ろうとする冬の情景をいそいそと探し歩いたりしているのだから、人間とはずいぶん勝手なものだ。
年齢とともに、寒さを体のあちこちで体感するようになってきたが、やはり冬は寒気のきわだつ瞬間が欲しいもの。そうであればこそ、春の日差しに感謝の念も湧いてくるというものだろう。まずは梅の芳香にしばらく酔うとしよう。