川口市産業文化センター(リリア)で夕立に遭遇した。折しも気温が上昇した午後のこと。本格的な季節の到来にはまだ早いが、今日の天気は夕立にふさわしい。
スコールの如く駆けめぐる、雨と、風と、雷に逃げまどう人々。その中で、木々は潤いをたたえ、全身を踊らせ喜び勇んでいる。無上の至福感を味わっているかのよう。
折しも、リリアにて管弦楽の取材の最中。ベートーベンの「田園」を彷彿させるそのリズミカルな自然界の躍動。脈打つ波動にシンフォニーが共鳴する。
やがて、全てが何事も無かったかのように静まり、平静の時が漂う。安堵する人々、満足感に浸る木々。
差し込む眩いばかりの光。目を見張る蒼き大気。青と、緑と、白。水と光と有機体が織りなす見事なハーモニー。
自然は活力に満ちている。キューポラの街に初夏の風を感じた一日。