asara
奥武蔵の風に吹かれて NO.022 誕生月 2001.6.1


 アフリカ付近のインド洋上に誕生するアジアモンスーン。そこから、インド、マレー半島、東シナ海を経て、漸く日本列島にたどり着いた。

 青少年期には、晴れ上がった、雲一つ無い空に心を奪われたものだが、年を重ねるに従い、また、自然界の循環メカニズムを認識してゆくにつれ、雨の日、あるいは厚く雲の垂れ下がった日に対する印象も随分と変わってくる。ある瞬間から、木々の幹、青葉、コケ、岩など、雨に濡れていたほうがむしろ生き生きしているように見えてくる時がくる。
 あるものや、事象に向かった時、美しい、あるいは素晴らしいと感じるか否かは、多分に個人的な見解なのだが、その根底は様々な経験的知識(あるいは美学と言っても良いかも知れないが)に基づいているわけで、個々の経験が様々であるように、美学的見解も多岐に及ぶ。
 したがって、年齢を経れば必ず何かが見えてくる・・・というものではなく、むしろ、失うもののほうが多いのかも知れない。であるならば、少しでも自身の引き出し(BOX)を増やし、様々なものに対して柔軟な反応を示せるよう、普段から感覚を磨いておかなければ。

 ところで、今月は私の生まれ月。夏至のころ、この世に生を受けた者として、やはり南方指向か!?と思いきや、自身はむしろ北方指向が強い。
 モンスーンの行き着く果て、ベーリング海、東南アラスカに思いは向かう。


(C)2001-2003 okumusashi.net/TATSUANG
奥武蔵ネット
asara
フォトギャラリー GEOFIS